食物アレルギーと言えば、原因となる食物を食べてすぐに蕁麻疹や呼吸困難などの様々な症状が出現する「即時型アレルギー」が有名です。
しかし、食物アレルギーとは考えにくい症状が出現する「消化管アレルギー」という特殊なパターンが最近増えているらしいのです。
消化管アレルギーとはいったいどんな病気なのでしょうか?娘の経験と交えつつ、紹介したいと思います。
生後7ヶ月食後3時間後に嘔吐
娘が生後7ヶ月の頃、離乳食を食べた数時間後に嘔吐したので病院を受診したことがありました。
離乳食の「吐き戻し」はよくあることじゃないかと思うかもしれませんが、私には心当たりがあったのです。
というのも、以前も離乳食を食べた後に嘔吐したことがあり、どちらも「卵黄」を食べていたという共通点がありました。
その後も卵黄を食べた時は決まって同じタイミングで嘔吐するようになったことから、アレルギーか何かではないかと疑うわようになりました。
- 卵黄を食べたのは初めてではない(3回目小さじ1で発症)
- 卵黄を食べてから約3時間後に大量嘔吐
- 嘔吐以外の症状はみられず、吐いた後は比較的機嫌が良い。
- 離乳食開始してから嘔吐したことは1度もない。
かかりつけの小児科に相談するも・・・
かかりつけの小児科に行くと、嘔吐は離乳食期には良くあることだし、嘔吐だけでは病的なものかわからないと具体的な検査には至りませんでした。
少量ずつから始めてみてもいいし、心配なら1歳近くまで除去して胃が成熟したあたりに再度チャレンジしてみてと言われ、結局原因はわからないまま・・・
なんだか納得いかず、娘と同じような症例はないかネット上で調べていくと「消化管アレルギー」という特殊なケースがあるということを知りました。
消化管アレルギーとは?
蕁麻疹などの症状が出る即時型アレルギーとは異なり、アレルギーの原因となる食物を摂取してから2~3時間後に激しい嘔吐、下痢、血便などの消化管症状が発生する疾患です。「食物たんぱく誘発胃腸炎」とも呼ばれます。
原因となる食品は、牛乳、鶏卵、小麦、魚介類、 大豆などのタンパク質を含む食品で、最近は、離乳食を開始する5~6カ月で卵黄を食べたことにより発症するお子さんが増えているそうです。
初めの1~2回は平気だったのに、その後に嘔吐が始まる場合もあるらしく、まさに、娘の症状とぴったり当てはまりました。
消化管アレルギーは見落とされやすい
消化管アレルギーは、即時型アレルギーと異なり、原因となる食品を食べてから数時間後、なかには数日後に症状が現れるため原因を発見しにくいです。
「いつ」「どれくらいの量を摂取したのか」などを記録しておくと、原因となる食物を探る大事な手がかりになったり、病院での診察や治療に役立ちます。
また、「消化管アレルギー」という病気がまだ医師にさえもあまり認知されていないため、見落とされてしまうことも少なくありません。
皮膚症状もなく、血液検査をしても陰性のことが多いので、なおさら「食物アレルギーとは考えにくい」と言われてしまうようです。
実際、ツイッターのつぶやきでも、保護者が消化管アレルギーを疑って受診したところ「胃腸炎じゃないか」「たまたまじゃないか」など言われて診断がつかなかったという方もいらっしゃいました。
症状が上記に似ていて、もしかしたらと感じたら、アレルギーを専門とする小児科医に相談するといいかもしれません。
1歳になったら食べられるようになった
娘の場合、しばらくお休みして1歳近くに再び挑戦してみたところ、食べられるようになっていました。保育園の普通食にも間に合いほっと一安心です。
消化管アレルギーの治療も、アレルギーの原因となる食物を完全除去したのちに、負荷テストを行って症状の有無を確認するようですが、ほとんどが2歳くらいまでに食べられるようになるそうです。
あの嘔吐はなんだったのか・・・病院から確定診断されたわけではないですが、後にも先にも娘がこれまで嘔吐したのはあの時だけだったし、もしかしたら消化管アレルギーだったのかもしれません。
なかなか診断がつかず、困ったりしているお子さんや親御さんのためにも、この病気が広く知れ渡るといいなと思います。
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